肘掛けが肩や首の負担を軽減する理由

デスクワークやスマートフォンの使用が増え、「肩こり」「首こり」に悩む方はとても多くなっています。
その原因のひとつが、実は腕の置き場所です。
普段あまり意識されませんが、「肘掛け」があるかどうかで、肩や首にかかる負担は大きく変わります。
この記事では、なぜ肘掛けが肩や首の負担を軽減するのかを、解剖学的な視点から分かりやすく解説します。
肘掛けがないと肩や首に何が起きているのか?

腕の重さはどこで支えられている?
人の腕(上肢)は、片側だけでも**体重の約5〜6%**の重さがあります。
例えば体重60kgの方であれば、片腕だけで約3kg前後になります。
肘掛けがない状態では、この腕の重さを主に次の筋肉が支え続けています。
- 僧帽筋上部
- 肩甲挙筋
- 三角筋
- 棘上筋(ローテーターカフ)
これらの筋肉は、首や肩甲骨につながっている筋肉です。
つまり、腕の重さを支えることが、そのまま首や肩への負担になっているのです。
肘掛けが肩の負担を減らす解剖学的な理由

肩甲骨は「筋肉で吊り下げられている」
解剖学的に見ると、腕は
- 鎖骨
- 肩甲骨
- 上腕骨
この3つの骨によって体幹とつながっています。
しかし肩甲骨自体は、骨で固定されているわけではなく、
多くの筋肉によって宙づりのような状態で保たれています。
肘掛けがない場合、腕の重さによって肩甲骨は下へ引っ張られ、それを防ぐために
僧帽筋上部や肩甲挙筋が常に働き続けることになります。
その結果、肩がすくんだような姿勢が続き、肩こりが起こりやすくなります。
肘掛けで「筋肉支持」から「骨支持」へ
肘掛けに肘を置くと、
上腕 → 肘 → 肘掛け → 椅子
という支持のラインが生まれます。
これにより、腕の重さを筋肉ではなく、
**骨と椅子で支える状態(骨支持)**に変えることができます。
肩甲骨を無理に引き上げる必要がなくなり、
僧帽筋や肩甲挙筋の緊張が自然と低下します。
これが、肘掛けが肩の負担を軽減する最大の理由です。
首の負担が軽減される理由(頚椎との関係)
首と肩は同じ筋肉でつながっている
肩こりと首こりは、別々の問題と思われがちですが、
解剖学的には非常に密接に関係しています。
例えば、
- 僧帽筋
- 肩甲挙筋
これらの筋肉は、肩甲骨だけでなく**頚椎(首の骨)**にも付着しています。
そのため、肩の筋肉が緊張し続けると、
頚椎が引っ張られ、首のだるさや痛み、頭痛の原因にもなります。
肘掛けが首の筋緊張を和らげる
肘掛けを使って腕の重さを預けることで、
肩周囲の筋肉の持続的な収縮が解除されます。
これにより、
- 頚椎への牽引ストレスが減少
- 首まわりの筋緊張が緩和
といった効果が期待できます。
結果として、首の疲れや重だるさを感じにくくなります。
血流・神経の観点から見た肘掛けの効果
筋肉が長時間緊張すると、
- 筋内圧の上昇
- 血流の低下
- 神経の滑走不全
が起こりやすくなります。
これが「重い」「だるい」「痛い」といった不快感につながります。
肘掛けを使用すると肩の筋活動量が低下し、
筋内圧が下がることで血流が改善されます。
その結果、神経の働きもスムーズになり、
肩や首の不調が出にくくなります。
肘掛けは「楽をするため」ではなく「体を守るため」
肘掛けは単に楽をするためのものではありません。
解剖学的に見ると、次のような重要な役割があります。
- 肩甲骨の過剰な挙上を防ぐ
- 首につながる筋肉の緊張を軽減する
- 頚椎へのストレスを減らす
つまり、肘掛けは肩と首を守るための重要なサポートなのです。
まとめ|肘掛けを正しく使うだけで肩と首は変わる

肘掛けがあることで、腕の重さを
「筋肉で支える状態」から「骨で支える状態」へと変えることができます。
これにより、肩や首への負担が軽減され、
肩こり・首こりの予防や改善につながります。
デスクワークや長時間の座位が多い方は、
ぜひ肘掛けのある椅子を活用し、正しく使うことを意識してみてください。
余談ですが、福沢諭吉も使っていた?というタイトルは、『肘掛けのすゝめ』と言うことと、福沢諭吉の『学問のすゝめ』をもじっただけで、実際に福沢諭吉が使っていたかは不明です。おじさんになると親父ギャグを言いたくなるものですね。
肩や首などの痛みでお悩みの方は「ただほぐすだけではない、整える60分」を
もし最近、「疲れが抜けにくいな」「からだをちゃんと整えたいな」と感じでいたら、一度ゆっくり60分、全身を整える時間を作ってみませんか?ご予約は公式LINEやお電話で受付けております。